夏休み期間中の新型コロナウイルス対策として、政府が羽田など全国の主要6空港から搭乗する人を対象に実施しているPCR・抗原定量検査が低調のようです。行き先が福岡と北海道、沖縄方面の便で、希望した人が無料で受けられますが、利用率は4%に満たないとのことでした。
「帰省、旅行を極力控えてもらい、やむを得ず帰省する場合も検査を受けてほしい」。西村康稔経済再生担当相は10日の記者会見で、コロナ「第5波」が都市部から地方へ広がるのを食い止めるため、搭乗前の無料検査を利用するよう改めて呼び掛けました。
この検査は、7月20日~8月31日に「羽田」「成田」「中部」「大阪(伊丹)」「関西」「福岡」の6空港から搭乗し、北海道、沖縄県内と福岡空港に向かう人が対象。(1)出発当日、空港ブースで受けて30分で結果が分かる抗原定量検査(2)事前に、都内の繁華街にある検査センターで受ける唾液PCR検査(3)配送された唾液PCR検査キットを事前提出-以上の3種類があり、いずれもインターネット予約が必要となります。(2)と(3)は搭乗日までに、スマートフォンなどに結果が送られてきます。
内閣官房新型コロナ感染症対策推進室によると、8月9日までの対象者は累計59万7882人で、このうち検査を受けたのは2万3187人。内訳は検査センター9697人、空港ブース9376人、配送4114人の順で、福岡空港のブースで検査を受けたのは1004人でした。陽性が判明したのは40人。航空券のキャンセル料は原則、自己負担となります。
お盆直前の10日、羽田空港で取材すると検査を受けずに搭乗口に向かう人の姿が目立ちました。福岡市の実家に帰る都内の女子大学生(18)は「搭乗キャンセルになったらしゃれにならない。2カ月前にPCR検査を受けて陰性だったからきっと大丈夫」。福岡県宗像市に帰省する男性会社員(42)も「航空会社から検査の案内メールが来たのが出発直前だった。ネット予約の手続きも煩雑だったので諦めた」と、利用しない理由を話しました。
ただ、時間帯によっては空港ブースの検査に行列ができる場面も。母親の初盆のため、福岡県内の父親の元に向かう横浜市の50代女性は、配送の検査を利用して陰性確認した様子。「大切な人とは、お互いに心から安心して会いたいから」と語っていました。
※西日本新聞me参考