本稿はカフェグローブの寄稿を一部編集・抜粋しています。
世界のビリオネアや成功者たちの共通の趣味。それは意外かもしれませんが、「読書」なんです。
ウォーレン・バフェットは1日の8割を読書に費やし、ビル・ゲイツは毎晩就寝前に1時間読書するのだとか。
マーク・ザッカーバーグは2015年に2週間に1冊の本を読むと公約、フェイスブック上にブッククラブを開設しました。
彼らのような桁外れの成功者は、なぜ読書に没頭するのでしょうか。
バイオテクノロジーの会社「キュアマーク」のCEOであり、週に1冊の本を読むジョアン・ファロン女史は「読書は多忙な毎日について考えることをストップさせ、新しい視点や考え方を与えてくれます」と語っています。
自分の想定外のことが起こるのが現実。そんなとき、日々ルーティンをこなしているだけでは到底出会えない、読書をしたからこそ得ることができた新しい視点に助けられることもあるはずです。
まったくの他人の物語に対して、共感できるポイントを見つけていくのが読書。人間としての器の大きさを広げてくれそうです。
年に50から60冊の本を読むことはアジト・シン(スタンフォード大学薬学部客員教授、ベンチャーキャピタル・ファーム「Artiman Ventures」パートナー)をよりよいコミュニケーターにさせました。
「リーダーシップはストーリーテラーであることを必要とします。ストーリーとは、ときには会社のビジョンだったり、また獲得計画や差し迫ったレイオフについてだったりします」。
読書をすることでうまい筋運びを身につけ、人を惹きつける話し手になれれば、理解者が増えるでしょう。
たとえネガティブなシーンでも上手に筋道を立てて伝えてくれるリーダーは、部下からの信頼も得やすくなりそうです。
ビジネスをしていなくても、読書にはたくさんのメリットがあります。
科学的に読書にはストレス、うつ、痴呆症の予防に効果があることが証明されています。さらに自信をつけ、共感力や決断力を高め、人生の満足度を引きあげます。
こう言った利点すべてが、ただ週に何冊かの本を読むことで得られるのです。
たしかに、面白い本に夢中になっている間は嫌なことを忘れることができます。たとえば、自分の降りる駅が果てしなく先に感じるような満員の地下鉄も、本に没頭しているとあっという間です。
そこで、何を読むかが問題です。どこから手をつけたら良いか分からず、二の足を踏んでしまう人もいるかもしれません。
何を読むかは極めて重要です。リッチな人々や成功者たちは、フィクションよりも教育書やインスピレーションを得られる人の自伝を選ぶ傾向があるようです。
読書のさまざまな効果から、自分を高める作用をいちばんに求める人は自己啓発本や、ロールモデルとしたい人物の自伝が良いようです。
書いてあることを鵜呑みにせずとも、自分の人生の選択肢を増やすことにつながるでしょう。
さらに書評や、友達や気になる人のおすすめを参考にしても。
リーダー(指導者)とはリーダー(読書家)であると語る、(著名な著述家でありファイナンシャルプランナーでもある)デイブ・ラムゼイ氏は、週に少なくとも1冊の本を読み、新しいチームメンバーにはおすすめの5冊をかならず渡すと言います。
「指導者として常に成長したいという思いが、私のDNAには組み込まれています。そして、自分たちのチームも同様に常に学び、成長させていきたいのです」と語っている。
チームワークに必要な共感力をも上げてくれる読書。信頼のおける上司や先輩が勧めてくれる本なら、納得して読み進めることができそうです。
個人的には通勤から開放された現在、「最近読書していないな」と痛感しています。就寝前や仕事の合間もついネットの世界をさまよい、飛行機などの長時間移動の際にしか「本を買いたい」と思わなくなってしまいました。しかし、成長を助けるのが読書と聞けば、再び本に手が伸びてくるのではないでしょうか。