第100回凱旋門賞(G1、芝2400メートル、仏パリロンシャン)は今週日曜、日本時間10月3日23時05分に発走します。
日刊スポーツでは「100回目のプロポーズ」と題した連載で、日本勢の悲願挑戦に迫ります。レジェンド武豊騎手(52)はブルーム(牡5、A・オブライエン)で9度目の挑戦。幼い頃から憧れ続ける凱旋門賞への思いをあらためて語ってくれました。
【取材・構成=網孝広】
27年の時を経ても、凱旋門賞への憧れが色あせることはありません。9度目の挑戦へ、武豊騎手は「毎年の大きな目標ですし、去年は行って乗れなかったので、今年こそはですね。いいレースをしたい」と意気込みました。
昨年はジャパンに騎乗するためフランスへ渡りましたが、禁止薬物騒動の余波で直前に出走取り消し。2年ぶりの参戦は、フォワ賞でディープボンドの2着だったブルームとコンビを組みます。
「乗りやすそうなイメージ。今年の成績がいいので、胸を張って凱旋門賞に出走できる馬だと思います。サンクルー大賞も勝った。フランスのG1ですから。復活したなという感じですね。世界的な名調教師(A・オブライエン師)の馬なので、乗るのが楽しみですね」
初めての凱旋門賞参戦は94年、ホワイトマズルで6着でした。最高着順は01年サガシティーの3着。06年のディープインパクトは失格の憂き目にあってしまいました。25歳で初挑戦した武豊騎手も52歳。それでも、思いが変わることはありません。
「子どもの時から憧れのレースだったし、騎手になって最初に乗った時に、なお強く思った。『いつか勝ちたい』って。騎手なら誰もが憧れるレース。もうそろそろ勝たせてほしいね(笑い)。出ない限りはノーチャンス。出るからにはチャンスがある」
今年、凱旋門賞は節目の第100回を迎えます。武豊騎手にとっては“9度目の正直”へ、日本馬クロノジェネシス、ディープボンドもライバルになります。
「メンバーも近年最強と言われている。でも、競馬は本当に分からない。そんな簡単に勝てるレースではない。日本馬もチャンスのありそうな馬が2頭も出走している。僕は僕で、いいところを見せたい。日本の馬、負かしたらごめんね(笑い)」
記念すべき第100回に騎乗する日本人ジョッキーは武豊騎手のみ。レジェンドの思いは成就するのか。
◆ブルーム▽父 オーストラリア▽母 スウィープステイク(アクラメイション)▽牡5鹿毛▽馬主 クールモア&キーファーズ▽調教師 A・オブライエン(アイルランド)▽戦績 19戦7勝▽重賞勝利 21年サンクルー大賞(G1)など5勝