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スタバが従業員の金髪や帽子をOKに やって分かった意外な効果

スタバが従業員の金髪や帽子をOKに やって分かった意外な効果

2021年8月2日、スターバックスの日本1号店が銀座に開店して25周年を迎える日に全国の店舗パートナー(従業員)のドレスコードを改定し、デニムや帽子はOK、髪の色も自由になりました。パートナーからは「『こんな髪の色だから接客が良くない』と言われないように、1つひとつの行動を丁寧にしないといけないと思うようになった」という声も出ているといいます。

髪の色が自由になる、帽子がOKに

「当初は期の始まりである10月1日からと考えていたが、1日も早くパートナーをこの環境にしてあげたいという思いと、25年間で初のドレスコード改定となるため、ちょうど25周年のこの日にした」というのは、スターバックスの約500店舗を管轄する東日本営業本部の林千暖本部長。

ドレスコードの改定を具体的に検討し始めたのは20年秋。10年後の自分たちの姿を示す「10年ビジョン」の策定がきっかけなんだそうです。その中で、「多様性あふれる心豊かな地域や社会を創造していく」というキーワードがあり、それを踏まえてパートナー一人ひとりがより自分らしく活躍できる環境をつくっていこうという思いで検討を始めたとのこと。  

米国では過去2回ほどドレスコードをより自由にする改定を実施しており、「日本でもやってほしい」という声が上がっていました。そこで、店長300人にヒアリングしたところほぼ賛成意見だったといいます。「特に要望が多かったのは、髪の色を自由にしたいという要望だった」(林本部長)。

また、スターバックスの店舗では10代から70代まで幅広い年齢の人々が働いており、自分の年齢や個性に合ったもの、自分をうまく表現できるものを着たいという要望もありました。  

ただ、飲食業なので清潔感や親しみやすさが損なわれないかという懸念がありました。そこで、25店舗程度(東日本、中日本、西日本の各1ディストリクト)でトライアルをしながら決めていきました。  

服装はもともと白、黒、ベージュだけでしたが、今回の改定では紺やグレー、ブラウン、デニムなど、顧客が不快にならない自然な色であれば着用できるようになりました(ただ、各色にカラーパレットを設定。デニムはダメージがないものに限ります)。  

髪の色はこれまで25年間、日本人の自然な髪の色ということでダークブラウンという規定でした。トライアル時点でも髪色はダークブラウンのままでしたが、スターバックスではさまざまな国の人が働いており、人それぞれ自分の髪の色があるのにそれを規定するのはおかしいのではという意見が出て、水口貴文CEO(最高経営責任者)ら経営陣もその意見を後押しした結果、自由になったそうです。  

帽子は必要なのかという議論もありましたが、さまざまな事情で自分の髪形を見せたくない人もいるという考えから、キャップやハンチング、ハット(ツバ5cm以内)を着用OKにしたということです。

実施してみると、「ずっと赤くしてみたかったんです。すぐに美容院の予約をとりました!」と喜んでいるパートナーがいたり、年配のパートナーが意外な色のシャツを着て生き生きと仕事をしていたりなど、それぞれのパートナーが自分に似合う素材や色の服を着ていてすごく輝いて見えたといいます。  

林本部長は、金髪にしたパートナーから「『こんな髪の色だから接客が良くない』と言われないように、お客様に見られていることをより意識して1つひとつの行動を丁寧にしないといけないと思うようになった」と言われたのが印象的だったということです。