コロナ禍でも好評！不二家が「ミルキー」を味わう新業態を出店し続けるワケ

新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて、売り上げ低迷により閉店を余儀なくされる飲食店は増え続けています。

ですが、そうした中でも不二家は昨年末と今年3月に、それぞれ新業態の店舗をオープン。

今回は、不二家が出店し続ける「狙い」をご紹介していきます。

※本稿は、清談社・ますだポム子氏による寄稿を編集・一部抜粋しています。

「ミルキー」を味わう 新業態をオープン

不二家は、2020年で創業110周年を迎えた老舗食品メーカーです。

同社の売り上げは主にチョコレート・キャンディー・ビスケット・飲料などの卸売事業を行う「菓子事業」と、洋菓子の製造販売・洋菓子チェーン店の運営を行う「洋菓子事業」の2つが支えています。

売り上げの6～7割が菓子事業、2～3割が洋菓子事業という内訳。

そのほかはレストラン事業、キャラクターライセンス事業などが占めています。
同社は2020年12月に東京都練馬区で「ミルキー」のソフトクリーム専門店「milky soft cream 光が丘 IMA店」、今年3月には銀座で「ミルキー」の味わいをメインにしたカフェ「milky70 since1951」という新業態の店舗をオープンしました。

不二家が挑戦的な選択をした理由とは？

日本国内では昨春から3度にわたって緊急事態宣言が発出され、長い自粛生活が求められています。

外出が制限される日々が続くなか、新たに実店舗を構えるという選択はかなり挑戦的にも思えますが、こうした新業態の店舗を出店しようと思った理由は何なのでしょうか。

同社の洋菓子事業本部店舗営業本部店舗運営部の部長を務める金田剛氏は次のように説明しています。

「緊急事態宣言下でも、食料品や日用品の買い出しのついでに不二家洋菓子店に立ち寄るお客様が多くいらっしゃったので、昨年から『おうち時間をスイーツで応援しよう』というプロジェクトを始めました。

巣ごもり生活が続くなかで、せめてご家庭でスイーツを食べるときくらいは癒やしの時間になれば、と思ったのです。

実際にお客様からも、『自粛期間に不二家のケーキを食べて元気をもらった』というお言葉をたくさんいただきました。

そうしたご意見をいただき、やはり我々はスイーツを通じて世の中に貢献していかなければ、と改めて感じたのです」（金田氏、以下同）

こうした思いのもと、同社は新たな美味しさや楽しさを提供する方法を模索し始めました。

そうして施策を重ねる中でたどり着いたのが、今年発売70周年を迎えた看板商品の「ミルキー」を推した商品の開発だと言います。

「70年の歴史を持つ『ミルキー』は、お子様からご年配まで、幅広い層のお客様に愛されている商品です。

コロナ禍でも、『ミルキー』の新しいおいしさや楽しさが提供できれば、多くのお客様に喜んでいただけると思い、『ミルキー』をベースとしたソフトクリームやドリンクの開発に踏み切りました」

両店は共通して、「ミルキー」をベースとしたソフトクリームを主力商品として扱っているため、夏になれば、さらに売り上げも伸びるはず。

くわえて、どんな新商品が出てくるのかも気になるポイントです。

きっと、新旧どちらのファンでも楽しめるような商品が出てくることでしょう。