8月に開催予定だった夏フェス「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」の開催中止が決定した。
開催中止の理由として、茨城県医師会による要請を満たせないことが挙げられたが、その要請の内容に注目が集まっている。
「ロッキン」の通称で親しまれている「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」は、毎年8月に茨城県の国営ひたち海浜公園で開催される野外ロックフェスティバル。
日本を代表するアーティストが毎年総勢200組以上参加し、国内最大級の夏フェスとして人気を博している。
そんな「ROCK IN JAPAN」だが、開催まで31日を迎えた7月7日、急遽開催の中止が発表された。
同フェスの公式サイトによると、事の経緯は7月2日、茨城県医師会の代表がフェス主催者である茨城放送の本社へ訪れた件に始まる。
医師会の代表はフェスに対する要望書を茨城放送の代表に手渡し、また受け取ったところを写真撮影したとのこと。
要望書にあった2つの要請のうち、まず1つは「今後の感染拡大状況に応じて、開催の中止または延期を検討すること」。
「ROCK IN JAPAN」で総合プロデューサーを務める渋谷陽一さんは、同フェスの公式サイトで
「『感染拡大状況に応じて』と書かれていますが、その解釈は余りに多様で基準が曖昧です。何をもって感染拡大とするのか、それに基づく中止や延期の基準となるものは何かは明示されておりません」
と、要請に対して苦言を呈している。
もう1つの要請は「仮に開催する場合であっても、更なる入場制限措置等を講ずるとともに、観客の会場外での行動を含む感染防止対策に万全を期すこと」。
入場制限措置について渋谷さんは、すでに多数のチケット落選者がいることに触れた上で「この段階で新たな入場制限は不可能」と返答。
また「観客の会場外での行動を含む感染防止対策」に対しても、万全を期すことは不可能とし、
「医師会からの要請に十全に応えることは今の私たちにはできません。残念ながら中止以外の選択肢はありませんでした」
とフェス参加者に対して説明している。
ロック・イン・ジャパン・フェスティバル2021公式サイト
「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」公式サイトでの渋谷陽一さんの言葉によると
「要望書が提出された翌週の7月5日(月)、茨城県医師会のホームページに、提出時の写真と要望書の内容がアップされていました」
とのこと。
「何故か数時間で消えていましたが、多くの方が情報共有できるように再掲載いただけたら」と締めくくられているが、茨城県医師会のサイトを確認したところ、7日現在は写真と要望書が掲載されていた。
フェスの開催において地元病院や医療関係者の協力は欠かすことができないとした上で、無念の開催中止を発表した「ROCK IN JAPAN」。
公式サイト上で示された強い意志に、何か感ずる人も多かったのではないだろうか。
「『ロック・イン・ジャパン 2021』の開催は中止になってしまいましたが、各地で夏フェスは開催されます。絶対に成功してほしいです。音楽を止めない、フェスを止めない、という思いは多くの音楽ファンが持つ共通の思いです」
なお、同フェスのチケットは払い戻しされる予定だという。