【東京五輪】体操男子個人総合決勝が28日、有明体操競技場で行われ、橋本大輝(順大)が個人総合で金メダルを獲得しました。
橋本は最初の種目の床運動で14・933点を出して幸先良いトップスタートを切ると、2種目目のあん馬でも15・166点の高得点で首位キープ。4種目目の跳馬を終えて4位まで順位を下げてしましますが、5種目目の平行棒では15・300点を叩き出して3位に浮上。
最後に得意な鉄棒で14・933点を出し、合計88・465点の大逆転で頂点に立ちました。内村航平の2連覇に続く日本勢3大会連続V達成です。
そんな橋本ですが、子供の頃は身長が小さく、クラスの整列では先頭が定位置だったそう。
高校入学時も身長153センチで体重は50キロもなく、男性用のSサイズが少し大きいと感じるほど小柄でした。
食も細く、ラーメン1杯が食べられないほど。兄2人の影響で6歳から体操を始めますが、特に目立った功績もありませんでした。市船橋高に入学し、体操で勝つために体も鍛えないといけないと知ると、夜は白米を1杯から2杯に増やすなど、強い体作りにも励んだそうです。
3人兄弟の末っ子で、誰もが認める負けず嫌い。小学校低学年の頃は指導者に危険だと止められても、兄のやっている技を「俺だってできるのに」と駄々をこねていたとのこと。順大で行われた試技会で他選手に上回られると、悔しさをあらわにしていたそうです。
団体では、主将の萱和磨、谷川航(ともにセントラルスポーツ)、北園丈琉(徳洲会)とともに決勝を戦い、銀メダルを獲得。金メダルのROCには0・103点差で敗れたものの、最終種目の鉄棒で見事に着地を決め、こん身の演技を見せました。
橋本は試合後、以下のようにコメントしています。
「言葉では言い表せないくらい、というか人生で一番うれしい瞬間は本当に声で表せない。(表彰台には)団体で上りたかったけど、そのメンバーが応援してくれたので、感謝の演技ができた。(表彰台では涙はなかったが)ここで涙を流してしまうと、現状に満足してしまう。チャンピオンは涙を流さず、前だけ向いていかなければと思った。(金メダルは)銀メダルと重さは変わらないが、今まで積み上げてきた重みを感じた。5年前に関しては、ここに立てる感じはなく、夢だった。それが目標になって、現実になって、現実に浸っている。これからはディフェンディングチャンピオンとして、変わらず努力していきたい」
内村も期待する19歳が、2つのメダルを手にして日本の新エースに名乗り出たようです。