沖縄県内の新型コロナウイルス感染急拡大に伴い、2千~5千円の自己負担でPCR検査を受けられる民間PCR検査機関の利用者数が過去最多となっています。
7月23~29日の利用者は8083人となり、4月末に比べ2倍超に増加。那覇市内の検査センターで午前中に数十人が列を成す光景も出ています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/8f27c32266daa51bb1d6a5a089fef18f1b0cd870/images/000
「自宅近くの病院は1カ月待ちと言われました」。うるま市の40代女性は先週、娘が濃厚接触者となってしまいました。検査費無料の保険診療ができる医療機関12カ所に片端から電話したそうですが、ほぼ「予約がいっぱいで対応困難」。最終的に民間検査機関で数千円を払い、検査したとのことです。
7月28日、民間検査機関の一つ、那覇市松山の沖縄PCR検査センターには多くの人がいました。中学生の息子が県総体に出場するため離島から来た女性は「大会出場にリスクがあると思い、親子で受けに来ました。島にコロナを持ち帰ってもいけない」。陰性を確認後、帰路に就くといいます。
センターの担当者によると、週単位の受検者数は感染拡大と比例し、7月中旬以降に急増。午前9時の開店後は20~30人が列をつくります。翌日に結果が出る通常検査(県内在住者・税込み2千円)より、当日に結果が出るクイック検査(同3200円)の予約が増え「身近に陽性者が出て、早く自分の結果を知りたいという人が多くなっているのでは」と担当者は語ります。
県は、一定の基準を満たす民間検査機関7カ所に検査費用の一部を補助し、感染が不安な県民が誰でも数千円の自己負担で検査を受けられるようにしています。
県によると、7月23~29日に7カ所を利用した8083人のうち、陽性は321人(3・97%)だったそうです。
感染急増で民間PCR検査機関のニーズが高まる一方、行政検査は追い付いていません。本来は行政で対応すべき感染の可能性が高い人の検査も、民間が受け皿になっている側面があるのです。
県が関わる検査は主に3種類。濃厚接触など感染の可能性が高い人が対象の「行政検査」「保険診療検査」は、自己負担がありません。
急増しているのは、県が民間に費用の一部を補助する「PCR希望者検査促進事業」。受検者は2千~5千円程度を自己負担します。
県内の陽性率は3日までの1週間で12・2%。比較可能な全国平均(4・7%、7月12日からの1週間)を大きく上回っています。
「陽性率の高さを見れば、県内の検査不足は明らか」と指摘する医師もおり、さらに「自費で検査せざるを得ない状況は個人の意識に委ねる部分が大きく、抜け穴が多すぎる」と強調しています。