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【フォワ賞】ディープボンドV 日本馬3頭目の偉業 凱旋門賞へ弾み

【フォワ賞】ディープボンドV 日本馬3頭目の偉業 凱旋門賞へ弾み

仏G1凱旋門賞(10月3日、パリロンシャン)の前哨戦であるG2フォワ賞(芝2400メートル)が12日(日本時間同日深夜)、パリロンシャン競馬場で6頭立てにて行われ、日本から参戦したディープボンド(牡4=大久保)が鮮やかに逃げ切りました。日本調教馬の同レース優勝は99年エルコンドルパサー、12&13年オルフェーヴルに続き3頭目。日本競馬界の悲願である凱旋門賞制覇へ、夢が大きく広がりました。

スローペースの中 最後まで脚色が衰えず先頭でゴール

勢い良くゲートを飛び出し、そのままハナへ。ディープボンドはキャリア13戦目にして初の逃げに出ました。2番手にはA・オブライエン調教師が管理するブルームが控え、すんなり隊列は決まります。軽快なフットワークで緩やかなカーブを終え、セーフティーリードを保ったまま直線に入ると、残り2Fで鞍上のC・デムーロがこん身の右ムチを一発打ち込みます。それに応えるようにゴール前はグイッとひと伸び。2着ブルームに1馬身半差をつけ、まんまと逃げ切ったのでした。勝ちタイムは2分31秒82(良) 。 

現地でレースを見守った大久保師は「日本では少し重い馬場で結果を出していたし、阪神大賞典(1着=重馬場)に近い馬場ならと思っていました。きょうの馬場はベストコンディションでしたね」と、いつも冷静沈着な指揮官から満面の笑みがこぼれていました。次の大舞台に向け、十分すぎる収穫。第一関門は見事に突破したのでした。  

フォワ賞を制した日本調教馬の99年エルコンドルパサー、12&13年を連覇したオルフェーヴルは本番の凱旋門賞で、いずれも銀メダル。あと一歩が届かなかった。今年こそ待望の凱旋門賞馬が誕生するのでしょうか。指揮官は「来週いっぱいはケアをして、(レースまでの)残り2週でしっかり調整したい」と先を見据えています。祖父ディープインパクト、父キズナに続く親子3代での挑戦へ。楽しみが大きく広がる前哨戦となりました。  

◆ディープボンド 

父キズナ 母ゼフィランサス(母の父キングヘイロー)17年2月18日生まれ 牡4歳 栗東・大久保厩舎所属 馬主・前田晋二氏 生産者・北海道新冠町の村田牧場 馬名の由来は深い絆(父より連想)

幼少期は「ピリッとした面」があり、放牧地では負けん気が強かったといいます。育成が進むにつれて気性も大人になり、キズナ似の馬格、ゼフィランサス似の肉付きを獲得。2018年の北海道セレクションセールに上場され、前田幸治が1782万0000円で落札しました。

戦績13戦4勝(重賞3勝目)