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五輪大会ボランティア、学生の辞退相次ぐ

五輪大会ボランティア、学生の辞退相次ぐ

辞退者が相次いでいる東京五輪・パラリンピックの「大会ボランティア」。

主力ボランティアとして期待されている大学生の中にも、新型コロナウイルスの感染不安、学業との両立などから参加辞退の声が相次いでいる。

政府が検討しているワクチン接種や感染症対策といった不安を解消に向けた配慮はどう進んでいるのか。

東京オリンピック・パラリンピックのボランティアとは

東京五輪・パラリンピックを支えるボランティアは2つに分かれる。「大会ボランティア」と「都市ボランティア」だ。

組織委員会が約8万人を採用した大会ボランティアは、競技会場や選手村といった大会関連施設で運営を支える。

一方、全国で4万人以上が採用となった都市ボランティアは、競技会場周辺の主要駅や空港などの交通案内や観光案内などを行う。

主力の学生を含むボランティア辞退の声が相次ぐ

約8万人の大会ボランティアのうち、1日時点で約1万人が辞退したことが組織委員会の発表により判明した。

1万人以上の辞退者が出たが、海外客の受け入れ中止で簡素化や規模縮小などが見込まれ、五輪とパラ両大会で活動できる人もいるため、「運営に特段問題はない」(武藤敏郎事務総長)としている。

さらに、ある大学では大会ボランティアと都市ボランティアを合わせて約300人の学生が参加を予定していたが、当初より半減。感染への不安と、大会延期で卒業したなどさまざまな理由があると言う。また、学業との両立を懸念している学生も後を絶えないそうだ。

千葉・宮城は辞退4割超

自治体が募集した「都市ボランティア」についても、感染再拡大を理由に辞退する人が増加。半数近くが辞退した自治体もあり、ボランティア参加者からは観客の有無や上限についての判断を求める声も多く上がっている。

五輪とパラの8競技が行われる千葉県では、都市ボランティア2826人のうち約48%に当たる1352人が辞退。また、宮城県やその他の都道府県に関しても心配や懸念の声があり、辞退者が増えている。

五輪関係者のワクチン接種の動向について

国際オリンピック委員会(IOC)は米製薬大手ファイザーの協力を得て、日本向けに選手団や審判、通訳といった国内の大会関係者ら計約2万人分のワクチンを無償提供する方針を固めた。

しかし、ボランティアは選手と接触する可能性のある誘導役など一部に限られるなどで、さらに辞退者は増えることが懸念される。

武藤氏は「(ファイザーの)特別枠をさらに増やしてもらう交渉を今やっているが、可能性は十分あると考えている」と述べた。

そしてその後、丸川珠代五輪相は約7万人の大会ボランティア全員に対するワクチン接種を検討していることを明らかにしている。

大会関係者(ボランティアを含む)向けに特別枠で2万人分、追加で米ファイザー社からのワクチンが無償提供されるとのことだ。

決定済みの2万人分とあわせて4万人分となるが、国内の大会関係者はおよそ30万人いるとのことで、全く足りていない状況である。

このような状況で、今後政府はどう対応していくのか。引き続き注目したい。