26日に開幕した国際的な競輪大会「ツール・ド・フランス」でレース中に半分近くの選手がクラッシュするという大事故が起きました。
原因はなんと一人の観客の危険行為でした。事故を引き起こした観客は現在も逃走中です。
26日に開催した「ツール・ド・フランス」。その第1レースで突如、レースコースに大きなプラカードを持った女性が前に出てきました。
プラカードをぶつけられた先頭選手が落車後、後続の選手たちも次々に落車。前代未聞の大クラッシュになってしまったのです。
女性はどうやらテレビのカメラに移りたかったようで、レースにはまったく顔を向けていません。ふらふらとレースコースに出た挙句、先頭のトニー・マルティン選手にプラカードをぶつけてしまいます。
ツール・ド・フランスの選手たちは平均時速40km/hでバイクを漕いでいます。そこへ2m近いプラカードが前に出てきたら当然避けられません。不幸にも団子状態であったため、後続選手たちもマルティン選手を避けきれず大事故に繋がってしまいました。
大クラッシュに巻き込まれた選手のうち、21人もの選手がケガをしました。そのうち3人がリタイアを表明しており、ケガの状態によっては今後もリタイア選手が増える見込みです。
また、イグナタス・コノヴァロヴァス選手は意識不明の重体で病院に緊急搬送されています。
他の選手も「肋骨骨折・頭皮切断」「両肘骨折」「腕の裂傷」など、痛々しいケガを負った方が多く、ファンや家族からは心配の声が上がっています。
大規模な玉つき事故だったため、下敷きになって骨折してしまった選手や、自転車のパーツに体が挟まれて皮膚の切断が起こった選手が多かったようです。
事故の原因となった黄色いジャケットの女は事故直後に逃走。現在も行方がわからないままです。
この女性はテレビに映りたくてレースコースに躍り出たようですが、持っているプラカードの意味は「allez opi omi(じいちゃん、ばあちゃん、ヤッホー)」という全く無意味なもの。
ただの目立ちたがり屋で、レースのファンですらなさそうなプラカードに、周囲は怒り心頭。大会運営も女性を訴える方針を固めました。
「allez(ヤッホー)」はフランス語ですが、「opi」「omi」はドイツ語のため、女性はドイツ人なのではないかという推測も立っているようです。
いずれにしろ顔も服装もばっちりカメラに捉えられているので、逃げ切ることは不可能でしょう。