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入院できず車中死続出 医療崩壊のインドネシア

インドネシア 医療崩壊

インドネシアで新型コロナウイルス感染が爆発的に拡大し、深刻な「医療崩壊」。

どこの病院も満床のため入院出来ず息を引き取ったり、自宅隔離中に家族全員が感染死したりするケースが続出しているとのことです。 

ジャワ島中部のジョクジャカルタ特別州にある病院の駐車場で8日、48歳の女性が死亡しました。容体が悪化したため車で4カ所の病院に行きましたが、どこも満床。夜明けを待つ間に家族にみとられました。首都圏のブカシ市では6日、自宅で隔離中だった一家3人が相次いで死亡したとのこと。  

病床不足が引き起こした悲劇ですが、地元メディアによると、同様のケースはジャワ島を中心に各地で頻発。「病院を数カ所回った末、やむなく患者を自宅に戻した」という救急隊員も少なくないようです。民間団体「ラポルCOVID―19」によると、14日までの1カ月半で617人が自宅隔離中に死亡しています。 

政府高官は15日、「(新規感染者数が)1日10万人のシナリオを想定している」と説明。酸素や医薬品、病床の確保を進めていますが、医師だけで3000人近く不足し、研修医や看護学生の卒業前倒しが検討されているようです。  

国民からの批判、政府幹部は「民主主義のごみ」と一蹴。国民との溝が深まっています。

危機の高まりに政府批判が拡大しているといいます。ラポルCOVID―19や汚職監視団など主要民間団体は5日、連名で声明を発表。「医療崩壊で多くの命が救われなかったのはジョコ政権の失政だ。国民に謝罪し、法的・政治的な責任を取ってほしい」と訴えました。  

「政府は責任を取るべきだ」。故ワヒド元大統領の長女で、慈善団体を運営するアリッサ氏も請願を公開し、2週間で3万4000人が署名したようです。ツイッターには「大統領、諦めて(辞職して)」のハッシュタグが出現したとのことでした。  
これに対し、大統領府のナバリン政治コミュニケーション次長はインターネット交流サイト(SNS)への投稿で「民主主義のごみが辞任を求めている」と一蹴。ムルドコ大統領首席補佐官も「コロナ渦で政治的ハエになってはいけない」と題した動画に出演しました。ジョコ大統領は11日、「共に働き、助け合って乗り越えよう」と動画で呼び掛けましたが、懸念を募らせる国民と政権との溝は深まっています。