東南アジア各国、デルタ株流行で医療崩壊危機　供給不足でワクチン接種進まず

2021年7月21日 NEWS

インドネシアなど東南アジア各国で新型コロナウイルスの感染が急拡大。

中国製薬大手・科興控股生物技術（シノバック・バイオテック）製ワクチンの普及を進めてきましたが、デルタ株への効果に疑念が上がっており、接種計画の見直しを迫られているようです。

感染力が強いインド型変異株（デルタ株）が広がり、地域医療を圧迫

※株式会社産経デジタルより※

インドネシアなど東南アジア各国で新型コロナウイルスの感染が急拡大しています。

感染力が強いインド型変異株（デルタ株）が広がり、地域医療を圧迫。各地で医療崩壊に至る危険性が指摘されています。各国は感染拡大防止の切り札としてワクチン接種を進めたい考えですが、供給不足もあって思うように進んでいないのが現状のようです。

インドネシアは６月上旬から感染者が急増し、最大時には１日当たりの新規感染者は５万人を超え、累計感染者は３００万人に迫る勢い。今月１９日には１日として過去最多の１３３８人が死亡しました。

特に首都ジャカルタを抱えるジャワ島の感染状況が深刻で、医療用酸素の需要は感染拡大前の５倍に急増。

]ジャカルタでは病床の使用率が９０％を超える病院が相次ぎ、入院できなかった患者が車内で息を引き取るケースが報告されています。検査体制が未熟で、実際の感染者はさらに多いのではないでしょうか。

２０日はイスラム教の犠牲祭の祝日でしたが、一部のモスク（イスラム教礼拝所）で感染防止対策として禁止された集団礼拝を行う様子も見られ、当局は規制の順守を呼びかけています。

タイでは１９日、１万１７８４人の新規感染が確認され、１日当たりの過去最多を更新。

累計では４０万人以上が感染しています。マレーシアでも感染拡大が続き、１８日発表の新規感染者は１万７１０人。１万人台は６日連続で、累計感染者は９１万人を超えました。

各国ではワクチン普及が伸び悩んでおり、インドネシアとタイでは接種が完了した国民は５％程度。

両国とも中国製薬大手・科興控股生物技術（シノバック・バイオテック）製ワクチンの普及を進めてきましたが、デルタ株への効果に疑念が上がっており、接種計画の見直しを迫られています。