※本稿はシネマトゥデイの大内啓輔氏による寄稿を編集・抜粋しています。
映画『アジアの天使』に主演する池松壮亮が、第20回ニューヨーク・アジアン映画祭(20th New York Asian Film Festival)(※以下、NYAFF)開催20周年を記念したライジングスター・アジア賞に選ばれた。
日本国内では7月2日に公開された『アジアの天使』は、映画『舟を編む』『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』などで知られる石井裕也が監督を務め、日本と韓国のキャストやスタッフと共に撮り上げた人間ドラマ。
妻を病気で亡くし、兄の透(オダギリジョー)を頼って一人息子と共に韓国に渡った主人公の青木剛(池松壮亮)と、悩みを抱えながらソウルでタレントとして活動するヒロイン・ソルとその兄妹、二つの家族が言葉も通じないなかで不思議な旅を共にする。
8月6日から22日にかけて開催される第20回ニューヨーク・アジアン映画祭(NYAFF)にて、『アジアの天使』(英題『The Asian Angel』)は公式選定作品として選出。
「BEYOND BORDERS」(境界を越える映画)というセクションにて、異文化と向き合う物語を描いた作品と評価され、上映されることになっている。
今回、映画祭の開催に先駆けて、NYAFF開催20周年記念のライジングスター・アジア賞に池松が選出されることが発表された。
受賞者には、池松のほかに韓国のバン・ミナ(『SNOWBALL』)、フィリピンのジャニン・グティエレス(『HERE AND THERE』)という若手俳優が選出。『アジアの天使』と共に二人の出演作品も今年のNYAFFにて上映される予定だ。
テアトル新宿で行われた映画『アジアの天使』の公開記念舞台あいさつに出席し、自身初だったという本作での韓国ロケを振り返った。
この日の舞台あいさつには共演者のオダギリジョーと石井監督も登壇した。
池松は本作で初めて韓国ロケを経験したという。
その際の出来事を池松は「奇跡」と表現し、「この映画があらゆる困難を経て、国と国との関係を超えて結実したこと。それは大きな奇跡でした。当時は日本と韓国の関係もよくないなか、一部のクルーが抜けてしまうなんてこともありました。でも、最終的に日本に興味のある、志の高い方が集まってくれて、作品を作ることができた。そういう人たちに心から感謝したい」と述べた。
映画『アジアの天使』は7/2よりテアトル新宿ほかにて全国公開中。