公益財団法人日本財団は28日、39回目となる「18歳意識調査」の結果を発表した。
39回目の調査テーマは「性行為」。
調査は全国の17~19歳の男女1000人を対象にインターネットで行われ、性行為の経験や性教育の実情など幅広い事項の質問に対する回答が集まった。
2015年には選挙権年齢が、2022年4月には成人年齢が18歳に引き下がることを受け、18歳の若者が何を考えているのか幅広く知るために日本財団が行っている「18歳意識調査」。
日本財団では新型コロナウイルスの影響で10代からの妊娠相談が急増しているとのことで、今回の調査結果も政策提言に反映させる狙いだ。
今回の調査結果で注目すべきは「自分には性に関する知識が十分にあると思いますか」の質問に対する回答。
「はい」と回答したのは24.3%にとどまり、「いいえ」と「わからない」を合わせて75.6%と高い数値が表れた。
「学校での性教育は役に立ちましたか」といった質問では「はい」が58.5%、「いいえ」が41.5%と「役に立った」と感じる割合が高い結果となったが、一方で性行為を経験した層に回答を絞ると、「はい」53.3%、「いいえ」46.7%と、より拮抗した結果となっている。
「学校での性教育で、もっと深めてほしかった内容をいくつでも選んでください」という質問に対しては「恋愛や健康な性的関係に関する知識」が40.9%と最も高く、追って
「性的反応の仕組みや性行為(セックス)に関する知識」37.6%
「ジェンダー平等に関する知識」37.1%
「性的虐待やデートレイプなど性にまつわる暴力やからだの保全に関する知識」31.6%
「性的行動における意思決定、拒否方法などに関する知識」31.5%
といった、自分の体に関係する性教育授業を望む声が多かった。
また「厚生労働省は、現在、国内で購入するには医師の処方箋が必要となっている緊急避妊薬を処方箋なしに薬局で買えるようにする見直し案の検討を進めています。緊急避妊薬を処方箋なしで、薬局で入手できることについて、どう思いますか」の質問に対しては、「賛成」71.4%と多数を占めている。
賛成の理由としては「妊娠には避妊の失敗だけではなく、時に性暴力被害など急ぎ対応が必要なケースもある」78.2%が一番多い回答となった。
5.5%にとどまった「反対」意見の理由は「緊急避妊薬を飲めば大丈夫といった安易な風潮が広がる恐れがある」が76.0%で最多となっている。