エンタメ・芸能・youtube・SNSをまとめたメディアサイト!

日本支援の女性警察官「必要」 タリバン幹部が異例の見解を打ち出す

日本支援の女性警察官「必要」 タリバン幹部が異例の見解を打ち出す

アフガニスタンの反政府勢力タリバンの幹部が、時事通信の取材に対し、日本政府が育成を支援してきた女性警官を含めて、女性の政府職員についてアフガン社会に「必要だ」と認める見解を示しました。 

タリバンの幹部が女性の社会進出に関し肯定的反応を示すのは異例の出来事

アフガン政府とタリバンは昨年9月から、米国の後押しで、長期的停戦やタリバンを取り込んだ暫定政権の在り方などを話し合う和平交渉を続けています。

ただ、女性や少数派の権利をめぐる両者の意見の隔たりは大きいとみられてきました。今回のタリバン幹部の発言には、タリバンが女性の社会進出にも一定の理解を示していることを強調し、国際社会の印象を良くすることで交渉を優位に進めたい思惑があるとみられます。  

対話アプリを通じ、7月28日に取材に応じたのは広報担当のザビーフッラー・ムジャーヒド幹部。タリバンが関わる体制下でも「女性が犯罪に関わるケースがある。女性警官や検察官は必要だ。政府内では他にも女性が必要な部署はある」と述べていました。  

アフガンでは、部族的家父長制が根強く残り、家庭内暴力(DV)も横行しています。家庭内では男女の居場所を厳しく区別する習慣も存在し、これに阻まれ男性警官が問題に踏み込めないケースが多くありました。  

日本政府は国際協力機構(JICA)を通じ、2014年からアフガン国外での研修などで女性警官の育成を支援。既に1500人以上が研修を受け、現場で活躍中です。  

女性の社会進出に関しては、米国とタリバンの和平合意直前の昨年2月、タリバンのナンバー2、シラジュディン・ハッカニ師が米紙ニューヨーク・タイムズへの寄稿で「イスラム教が許容する範囲で、労働など女性の権利の平等」を認めると表明しました。ただ、独自のイスラム教解釈を持つタリバンがどこまで女性の社会進出を認めるか、幹部らは明言を避けてきました。

タリバンは01年まで数年間、政権を担っていましたが、国際的承認を得られませんでした。一連の「柔軟姿勢」の背景には、タリバンが暫定政権に組み込まれた場合でも国際社会から認められ得る存在だと誇示したい意図があるとみられます。