※本稿は女子SPA!の寄稿を一部編集・抜粋しています。
真夏の疲れを癒やしてくれる果物といえば、「桃」を思い浮かべます。
日本の桃は、みずみずしく、大きくて香りも上品。改めておいしいなあと実感しています。
そんな極上感あふれる桃を食べる上で気になるのが、選び方や切り方。
最近では知らない銘柄も多くてよくわかりませんし、いざ買ってみたら食べ頃ではなくてがっかりしたという声も多く聞こえてきます。
そこで今回は、果物のスペシャリストである一般社団法人「FRUIT LOVERS LIFE」の広報担当・西田桂さんに、おいしい桃の選び方や、切り方、味わい方を取材してきました。
――おいしい桃の選び方や食べ頃を見分けるポイントを教えてください。
「形が比較的整っていて、果皮の産毛のような毛がきれいに、まんべんなくついているものがおすすめ。購入の段階でどこかに当たっていたり、ぶつかって変色しているものは避けましょう」。
「食べ頃については、品種によって変わってくると思います。一般的に、岡山などの白い桃は、柔らかめを好みます。山梨県、福島県などの赤い桃は、硬めを好みます。柔らかめを狙う場合は、常温で少し置いて、手で軽く触って柔らかさを感じたらOK。特に花落ち(おしり)のところを押さえてみるとわかりやすいです。最後に柔らかくなる枝側の弾力もチェックすると良いでしょう」。
「また、食べる方が硬めが好きか、柔らかめが好きか?によっても、感じるおいしさは違います。基本的に未熟で出荷されることはありませんから、硬めのほうが好きな方は、硬い段階でも食べ頃と言えます」。
「保存方法としては、風通しのいい場所で常温保存し、食べる2~3時間前に野菜室で冷やすのがベスト。冷やし過ぎると甘みが落ちるので気をつけましょう」。
それでは次に、桃を美しく切り分ける方法について教えてもらいましょう。
――せっかく買った桃をできればきれいに切って食べたいのですが、するりと皮をむくためにはどうすればいいのでしょうか? 熱湯に入れるなど、さまざまな方法があるようですが、一番簡単でシンプルな方法を教えてください。
「まず、タテ半分に種のまわりを包丁でぐるっと一周させて切りましょう。そして、左右の桃を両手でやさしく持ち、反対側に回すようようにしながらはずしていきます」。
「片側の果肉に種がついているので、種のまわりをナイフの先などで切り、種を取り出しましょう。種が割れているときは、両側から種を取り除きましょう」。
「桃をくし型に切り、桃を縦ぎみにおいて、皮と果肉の間にナイフを入れて、カーブに沿って動かすようにしながらナイフをすべらせて、皮を切り離してください。柔らかい場合は手でむくこともできます。枝付き側からむいていくと良いです」。
「ちなみに、切った桃は放っておくと茶色くなってしまいますよね。それを防ぐためには、ビタミンC(アスコルビン酸)と甘みを加えた液につけることだそうです」。
<基本の色止め液>
水200cc、砂糖30gもしくはガムシロップ70g、アスコルビン酸(もしくはレモン汁)少々を混ぜる。砂糖の場合は加熱して溶かす。
最後に、桃のユニークな楽しみ方を聞いたところ、驚きの回答がかえってきました。
――桃をシンプルに食べるのもおいしいですが、乙な食べ方があれば教えて下さい。
「桃にカボスの果汁をかけると、さっぱりとして爽やかな味わいを楽しめますよ! 他には、桃とヨーグルトの簡単シャーベットはいかがでしょう? 桃とヨーグルトを保存袋に入れて潰して冷凍庫へ。半日以上置けば完成です」。
=====
いずれも爽やかでヘルシーでとっても美味しそうですよね。
桃が食べたくなってきた方は、出回るタイミングを逃がす前に楽しんでくださいね!
<取材・文・写真/食文化研究家 スギアカツキ>【スギアカツキ】
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12