アニメやテレビ番組のテーマ曲など数々のヒット曲を世に送り出し、ドラマ「寺内貫太郎一家」の主演でお茶の間でも親しまれた作曲家・小林亜星(こばやし・あせい)さんが5月30日、心不全のため死去した。東京都出身。88歳だった。葬儀は近親者で行われた。
東京の慶応大学在学中に、バンドを結成。主にジャズを好んでいた。卒業後は、服部正氏に師事した。ヒット曲には、「ワンサカ娘」や「イエイエ」、「どこまでも行こう」といったCM曲や、アニメ「魔法使いサリー」、「ひみつのアッコちゃん」などを手掛けた。
1976年に「北の宿から」で日本レコード大賞を受賞し、2015年には日本レコード大賞功労賞を受賞した。ヒット曲やロングランの曲が多く、音楽界の巨匠の一人であった。
向田邦子氏の代表作であるテレビドラマ「寺内貫太郎一家」で頑固親父として主演を務め、特徴的なキャラクターにより、大衆に大きな印象を残した。以降、俳優やタレントとしても活躍するマルチタレントとしても人気を博した。
CM使用各社も小林氏へのお悔やみのコメントを出している。
■「この木なんの木〜」の印象的な音調や歌詞で知られる「日立の木」の日立製作所より
「小林亜星さんには、弊社のCMソング『日立の樹』の作曲を手掛けていただきました。今では多くの方々にもお聴きいただいており、また、日立グループの顔とも言えるCMソングになりました。1973年にCMソングが誕生してから約48年、長きにわたるお力添えに深く感謝いたしますとともに、衷心よりお悔やみ申し上げます」
■ニッセイトータルレディの”応援歌”として知られる「モクセイの花」の日本生命より
「小林亜星さんのご逝去の報に接し、心よりお悔やみ申し上げます。小林亜星さんには、1969年から0214年まで、30本以上のニッセイトータルパートナーイメージCMに楽曲を提供いただき、日本生命に携わるすべての人々に元気を与えていただきました。小林亜星さんのご生前のご厚意に深く感謝申しあげるとともに、謹んで哀悼の意を表します」
■「積水ハウスの歌」(原曲は「セキスイハウスの歌」)の積水ハウスより
「1970年の創立10周年に小林亜星さんに作曲していただき、おかげさまで当社の認知度とイメージは大きく向上しました。2010年の50周年にリニューアルし、さまざまな方が歌うCMのシリーズは今も続いており、亜星さんにも大変喜んでいただきました。このたびの訃報に接し、ただ驚いております。心より感謝とお悔やみを申し上げます」
■「チェルシーの唄」の明治より
「このたびは、突然の訃報に驚いています。小林亜星さんの素敵な『チェルシーの唄』の支えがあって、チェルシーも皆さんに愛される商品に育ったと思っています。ご冥福をお祈りします」
・小林亜星オフィシャルサイトhttps://astromusic.jp/top/