カナダ西部のブリティッシュコロンビア州が記録的な熱波に見舞われた影響で、住民230人以上が死亡していると報道がありました。
現在はまだ情報収集の段階で死者数は確定していません。さらに増加する見込みです。
ブリティッシュコロンビア州では6月25日から6月28日にかけて最高49.6℃を記録した驚異的な熱波が発生しました。このたった4日間で既に233人の死亡が報告されています。
ブリティッシュコロンビア州検視当局に寄せられる死亡報告は通常だと4日間でおよそ130件。それが現時点で約100件増ということはほぼ熱波が原因で間違いないとされています。
バンクーバー警察によると、バンクーバーでは25日に熱波以来、65人以上の急死が報告されたそうです。また、隣接するサレーでも35人の急死、バーナビーでも34人以上の急死が報告され、各警察が対応に当たりました。
なぜ、カナダでは熱波による急死報告が相次いでいるのでしょうか?専門家の間では「北国ゆえに防熱・防暑機能のある建物が少ない」のが原因ではないかと指摘が上がっています。
カナダの夏の平均気温は大体23℃前後であると言われています。冬はマイナス20℃近くまで下がる代わりに、夏は25℃を超えることはほとんどありません。そのため、多くの家や店に冷房機能がないのです。
そのような土地で、いきなり40℃前後を推移する気温になったらどうなるでしょうか?人々は日陰や水まき、水風呂といった原始的な方法に頼るしかありません。ただし、この気温ではすぐに水も温度が上がってしまいます。
こうしてカナダ西部の多くの人が極度の熱中症になり、そのまま死亡したのではないかと見られているようです。
ブリティッシュコロンビア州の学校や会社はこの事態を危険視し、休校・休業しているところが多いようです。
コロナ禍の影響でマスクを着用している人が増えている今、マスク姿で40超えの外へ出るのは非常に危険です。休校・休業措置は賢明と言えるでしょう。
既に233人の死亡が報告されたブリティッシュコロンビア州ですが、全ての死者を把握できているわけではありません。一人暮らしの人は死亡していても発見が遅れる可能性が高く、死者はまだまだ増える見込みです。