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日常生活に支障が出やすい片頭痛|新しい予防薬が登場!

日常生活に支障が出やすい片頭痛|新しい予防薬が登場!

ズキンズキン、ガンガンと脈打つように痛む片頭痛。

日常生活に支障をきたし、ひどい人だと寝込むほどになる。

日本人の4人に1人は頭痛に悩んでいるという

片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛を3大慢性頭痛と言うが、中でも片頭痛は近年、発生のメカニズムや治療法の研究が進み、効能のある医薬品が登場してきた。

だが一方で診断、治療されていないケースも多く、何十年も苦しんでいる人がいる。

そこで本稿では、最新情報を含め、熊本市民病院(熊本市)脳神経内科の橋本洋一郎科長に聞いた。

※この記事は、時事メディカルより編集・抜粋しています。

片頭痛の症状や原因など

片頭痛は頭が痛いだけでなく、全身に症状が表れることが多い。

吐き気、嘔吐(おうと)、めまいのほか、光や音、においが気になることも。

発作は4時間から3~4日続き、一度治ってはまた起こる。

体を動かしたり、入浴したりすると悪化し、前兆として、発作の30分ほど前からきらきら輝く光がぎざぎざ状に広がって物が見えなくなる(閃輝暗点=せんきあんてん)、物がゆがんで見える、言葉が出にくくなるなどの症状が起こることもある。

発作の24時間ほど前から生あくびが出る、感覚が鈍くなる、落ち着きがなくなる、眠気がする、肩が凝る、無性に甘い物が食べたくなるなどの予兆が表れることもある。

ストレスや過労が引き金となるが、それから解放された時も起こりやすい。

いらいらしても、ほっとしてもだめ、寝過ぎや寝不足もよくない。

橋本医師は「毎日食事をきちんと取り、規則正しく生活するよう心掛けることが重要です」と話す

さらに片頭痛は女性に多く、子供の頃に車酔いを起こしやすかった人も少なくない。

小学校の高学年頃から発症し、30代でピークになる。

30代、40代の女性の5人に1人は片頭痛持ちだ。

働き盛り、子育て世代の女性がつらい症状に苦しんでいることが多い。

通常は年とともに軽くなり治っていくが、50代、60代まで症状が続く人もいる。

片頭痛時の薬の飲み方について

発作時には頓挫薬で治療する。

頭痛が軽い場合はいわゆる痛み止めを、痛みが強い場合には特効薬のトリプタンを使う

頓挫薬だけでは日常生活に支障がある場合は予防薬が使われる。「頓挫薬は必要な分だけにしてください

予防的に使うと、薬の使用過多によりかえって頭痛が悪化する(薬物乱用頭痛)恐れがあります。市販薬の使い過ぎにも注意が必要です」と橋本医師。

新しい予防薬が登場

今年は新しい予防薬が登場した。

片頭痛の発作を引き起こすカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)という物質に働いて頭痛を抑えるもの。

何十年も苦しんできた患者でも、月1回の注射で頭痛発作の回数や頭痛の程度が改善するなど、高い効果が期待できるようだ。

橋本医師は「適切な診断と治療で人生が変えられます。長年苦しんでいる人には専門医を受診してほしい」と勧めている

また、頭痛の世界的な権威である埼玉精神神経センター・埼玉国際頭痛センター長の坂井文彦氏は「米国では頭痛を明確に病気と捉えるのに対し、日本では“たかが頭痛”として性格の弱さや怠けているように見なしがち」と指摘

繰り返し起こり、生活に支障を及ぼしているのに、本人にしか苦しみが分からない頭痛が大きな社会的損失になっていることを、もっと理解することが必要だと強調する。

(記事の内容、医師の所属、肩書などは2021年7月現在のものです)