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山手線全線ストップで16万人に影響!電車に閉じ込められる人も

山手線

6月20日午後、JR東日本の送電トラブルで山手線全線が運行停止しました。21日朝現在は復旧しています。

車内に閉じ込められ身動き取れず

6月20日午後5時半ごろ、突如山手線が全線運転見合わせとなりました。原因はケーブルの傷。停電が発生し、乗客の安全を確保できないとして各線がその場に停止する事態となりました。

駅に着いていない車両は線路の上で立ち往生することになり、乗客は狭い車両内に閉じ込められていました。その後、すぐには復旧できないと判明し、各車両は乗客を緊急下車させる方針に。

乗客たちは駅に着くまで線路の上を歩き、駅到着後は振り替え輸送やタクシー等で目的地に向かったようです。今回の件でけが人は出ませんでした。

乗客避難のため各線が運転停止に

乗客が山手線の各車両から緊急下車する過程で、山手線以外の各路線も運転停止にせざるを得ませんでした。線路には電車を制御する電力が流れているため、送電を完全に停止しないと線路上を歩く際に感電死する危険があるのです。
運行を見合わせたのは埼京線の上下線一部区間、湘南新宿ラインの全線、中央・総武線各駅停車、中央線快速など。もちろん山手線全線も停止したので影響を受けた乗客の数は16万人にも及ぶと言われています。

コロナ禍の電車閉じ込め 地獄の様相

過去にも電車が緊急停止し乗客が閉じ込められるトラブルは何度もありました。しかし、今回はコロナ禍の長時間停止。帰宅ラッシュ中の満員電車で、マスクを付けたまま電車内に立ちっぱなしの状態は、乗客たちの気力・体力を大きく削っていきました。
加えて、20日は「最高気温28℃」「平均湿度70%越え」という過酷な環境でした。車内は高い気温・高い湿度・高い人口密度・マスク着用・帰宅の目途が立たないストレスという五重苦。疲弊したサラリーマンや親子連れ等、乗客の中には体調を崩した人もいました。

トラブルに巻き込まれた人たちの声

SNSでは今回の運行トラブルに遭った人たちの声で溢れかえりました。

交際中の相手の家に急遽泊めてもらう人や、帰宅できず会社を休む人も。

やはり、仕事で疲れ切っているのに帰宅できないことを嘆いている人が多いようです。

一方で「電車から緊急下車して線路の上を歩く」という行動に注目する人も一定数いました。多くの人は「うらやましい」「一度はやってみたい」という無邪気な感想でしたが、線路の上を歩く際の危険について啓発する人も見られます。

線路の上は足場が悪く、転倒の危険が非常に高いです。高齢者や車いすの方、小さい親子連れには過酷な道のりとなったことでしょう。

今回のトラブルで様々な危険性が浮き彫りになり、多くの人にとって電車に頼りきりな都内のインフラ構造について考える機会になりました。オリンピック開催後にこのような問題が発生したときにどんな対策を打つのか注目したいところですね。