2021年6月23日、レンブラント作「夜警」の失われた部分がAIによって復元されたことを欧州メディアが報じました。
約380年の時を経てその全貌が明かされた「夜警」。
その姿は一体何を教えてくれるのでしょうか。
レンブラント(正式名称レンブラント・ファン・レイン)によって描かれた「夜警」。
この絵が描かれた背景には様々な要因があります。
レンブラントの出生地であるオランダは16世紀末、対スペインとの長いオランダ独立戦争に勝利しました。
レンブラントの絵はオランダの商業都市や文化が発達したことを表すとともに、近代油絵を完成させた作品とも言われています。
芸術においては非常に影響の大きい存在として位置づけられており、オランダが生んだ17世紀最大の画家と呼ばれることも。
レンブラントは彼の絵の書き方から「光と影」の画家として現在は多くの称賛を浴びているが、当時は不評だったようです。
「夜警」はその明暗の描き方を効果的に表した一枚であり、さらにその絵画の巨大さからも注目されています。
縦3メートル63センチ、横4メートル37センチとかなり大きいですが、その大きさゆえ1715年にアムステルダム市役所に運ばれた際に上下左右が切断されてしまいました。
今回はその切断された部分がアムステルダム国立美術館の修復プロジェクトにより復元されたということですね。
長い年月の流れでその次代の技術によって変化してきたというのは感慨深いものがあります。
今回は17世紀に模写された「夜警」全体の絵をもとにAIを使用して復元されたようです。
復元部分は正面から見て左側。
左側には男性と少年が写っていました。
この部分からはレンブラントを象徴する「光と影」をより一層強く表すような雰囲気が伝わってきます。
当時流行した「集団肖像画」の名にふさわしい、端から端まで丁寧に明暗を分けながら描かれていることが分かります。
そして絵画の幅も大きくなったことで迫力も増しました。
現代の技術によって時を越えて復元された「夜警」。
今後右側や上下などの失われた部分が見られることも期待出来そうです。
復元されていけばこれからも評価が高くなっていくことでしょう。
生きているうちに一度は見に行ってみたいものです。
今後何十年、何百年と語り継がれる作品となることも間違いないですね。